ディーンの一言

教える人は学ぶ人。

「ただの教員」がWebサービスを作る理由

こんにちは、ディーンです。

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小学校教諭としての5年間、ずっと頭にあったことを実現します。

それが指導案共有サイト、「指導案ラボ」です。

 

 ありがたいことに、Twitterで多くの方に反応していただきました。

 

 

夏休みを使って製作を始め、約2ヶ月。

ほぼ休みなくパソコンと向かい合い続けたのには、自分で描いた3つのゴールがあったからです。

しかし、後述しますがそのゴールのためには教員であるみなさんの応援が不可欠です。

 

ぜひ一度読んでもらえたら幸いです。

 

 

1つ目のゴール: 働き方改革〜勤務時間のその先〜

社会的に働き方改革が叫ばれるようになり、本屋さんでも多くの時短本が見られるようになりました。

 

教育界でもその動きは見られ、自分の勤務先では(ようやく)タイムカードが導入されるなど、取り組みがスタートしています。

 

教員の過労による病気や志望者の低下といった問題解決のためにも、勤務時間や勤務内容の改善は今後も進んでいくでしょう。

 

そんな中、なくならないだろう、個人的にはなくなってほしくない仕事があります。

 

それが「研究授業」です。

教員の仕事の核はやはり「授業」

その授業をより良くするための研究は、今後も続いてほしいと思うのです。

 

一方で、教員に研究授業を行うことは多くの負担がかかるのも事実。

 

特に時間がかかるのが「指導案」ではないでしょうか。

 

教科書を読み込み、発問や板書を考える。

普段やっていることとはいえ、人に見られると思うと力が入るし、誰が読んでもわかるよう言葉にするのは意外と骨が折れるものです。

 

指導案ラボでは他の人の指導案を検索し、ダウンロードすることができます。

指導案のちょっとした書き方や教材の読み取り方、指導の工夫などをぜひ参考にし、より短い時間で、より良い授業を作ることに役立ててほしいです。

 

2つ目のゴール: 研究の蓄積〜巨人の肩の上で授業〜

全国に小学校がいくつあるかご存知ですか?

僕は知りません。ので調べました。

www.mext.go.jp

文科省によると、小学校だけでも20,000校近くあるそうです。

その全ての学校で、1年間に1回は研究授業をしていると仮定すると、年間20,000回分の指導案ができていることになります。

 

この指導案を蓄積し、先行研究として積み上げていくことができれば、より良い授業ができる、と考えました。

 

教科書だけを読み込み、授業を考えるのを

「0→1で考える授業づくり」とするなら

 

他の人の授業や指導を参考にするのは

「1→100で考える授業づくり」です。

 

これまでゴミ箱にいってた「20,000回分の指導案」を、必要とする先生に届け、より大きくしてもらうこと

これが指導案ラボ2つ目のゴールです。

 

3つ目のゴール: 毎日を研究授業に

研究授業でよく聞く言葉トップ3

  1. 研究授業だからできることだね
  2. 毎日はできないよね
  3. 参観用の授業だね

 実際、研究授業を見ていると

「貼りものいっぱい」の「発表会」みたいな授業はたくさんあります。

 そうした授業を見て、「準備する時間がないよね」と感じることはあるでしょう。

 

では、どういった授業なら教師にとっても子どもにとっても「良い授業」といえるのでしょうか。

「良い授業」の定義を、自分がするのはおこがましいですが、

あえてあげるなら

  • 再現性の高さ
  • 教育的効果

の2点だと考えます。

 

その意味でいうと、「貼りものなどが多く、実際にはできない」のであれば、再現性が低い授業と言えます。

 

指導案ラボのウラ目的は「良い授業アイデアの精選」です。

 

自分が研究授業をするわけでなくても、「次の単元どうしよう」と思った時に指導案を検索してみてください。

実際にその指導案を真似することで、そのアイデアの再現性や教育的効果を確かめることができます。

良いアイデアはどんどんお気に入り登録されていくでしょう。

 

指導案を投稿した人はもちろん、それを読んで実践する人も研究授業に参加し、いっしょに良い授業を作っていくのです。

終わりに

ただの教員の夢語りにお付き合いいただきありがとうございました。

これを妄想で終わらせないためには、皆さんの応援が必要です。

 

次につなげるために、多くの指導案を投稿していただけると幸いです。

 

9月20日に指導案ラボがスタートです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

TechAcademy でプログラミング学んでみた

大人もプログラミング教育

小学校教員をしているディーンです。

8月は教員がまとまった休みのとれる唯一の期間。

今年は何をしようか、、、

迷ったあげく選んだのが

プログラミングの勉強

です。

techacademy.jp

これからTechAcademy でプログラミングを学ぼうと思っている方!

プログラミングに興味のある先生方にも読んでいただきたいです。

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研究授業を本当の研究に

プログラミングを学ぶなら作ってみたいものがありました。

それは

 

クックパッドの指導案バージョン」

その名もシドウアンパッド! (仮) 

 

研究授業の時だけ「見世物のような授業」

時間をかけて作った指導案も次の日にはゴミ箱

そもそも、研究って言ってるわりに先行研究も何もなく

いまだに教科書を一から読んで授業を考える、、、

 

そうやって頑張って作った授業も、ほかの学校の先生が10年前に行っていることだってあるでしょう。

 

それは、研究授業が研究としてストックされていないからです。

 

シドウアンパッド(仮)は指導案のデータベースとしての機能が基本です。

しかし

「授業づくりを楽に」するだけでなく

「より良い授業を作るための蓄積」

を目的にしたサービスです。

 

理想は研究授業のときに

「この授業は、○○学校のA先生が行った授業を参考に、こんな工夫をしました」

といっても、全国みんなが共通理解できる状態。

 

な~んて大きな妄想をもってスタートしました。

 

 

・始める前は、、、

大学などでもプログラミングには全く触れたことのない

超初心者でした。

学校ではプログラミング教育が始まるということで、Scratchなどに触れてはいましたが、それとはまったくの別物

 

春休みにはProgateの有料会員になり、HTMLやCSSRubyなどは一通り学習したものの、いざ自分で作るとなると分からないことだらけで挫折、、

prog-8.com

諦めようかと思っていましたが、TechAcademy のこの宣伝文句を信じてもう一度トライすることにしました。

プログラミングやアプリ開発を学べるオンラインスクール。
1人では続かない方のための短期集中プログラム「オンラインブートキャンプ」を開催。
現役のプロのサポートと独自の学習システムで短期間で成長いただけます。

TechAcademy とは

・オンラインだけでプログラミングが学べる!

ネットで検索するとたくさんプログラミングスクールが出てきますが、TechAcademy の特徴は「ネット完結型」であることです。

良く比較されるのがコレ↓

tech-camp.inこちらは定期的にスクールに通い、直接教わることができます。

 

一方、TechAcademy はSlackやビデオチャットで相談しながら進めることで、全て自宅にいながら学ぶことができるようになっています。

自分は毎回の交通費と時間がもったいなく感じたのでTechAcademy を選びました。

 

Webサービスを作るコースやiPhoneのアプリを作るコースなど、様々あります。

自分はProgateで学んでいたRubyが使えるWebサービスコースにしました。

詳しくはサイトで↓

TechAcademyとは? | TechAcademy [テックアカデミー]

・8週間で〇〇万円

気になるのはお値段です!

きっとお高いんでしょう~?

 

かかった費用は

8週間で約19万円でした

高い?安い?

 

個人的には(妻に言うのを)ためらうレベルでしたが

自己投資、自己投資

と自分に言いきかせました。。。

 

ちなみに4週間プランだと少しお安くなりますし

学生さんなら10万円ちょっとで始められます。

(大学時代にやっときゃよかった・・・)

4週間終えてみて

・どのくらい進んだ?

TechAcademy のWebサービスコースは全16レッスンで構成され、メッセージボードやTwitterのようなサービスを実際に作りながら学習していきます。

最後には学んだことを総動員してオリジナルサービスを作ることがゴール。

 

4週間たった段階で

15レッスン終了しました!!

メンターさん曰く、予定されてるスケジュールよりかなり早いそうです。

 

一日あたり5時間前後パソコンを触って、これくらいの進度です。

余裕をもって取り組めたのは2つ理由があります。

  • Progateで予習していた
  • 実際のプログラムがスタートする前に基本的なところを終えた

TechAcademy は入金が確認されたタイミングからテキスト等を使うことができます。

実際の8週間がカウントされる前にスタートすることができるので、その一週間で進められるところまで進めました。

 

これだけ急いだのは理由があります。

夏休みが終わると運動会やらなんやらで忙しくなるのは分かっているので、かなり前倒しの超特急で進めました。

長期休みで時間のある大学生さんや、ある程度基礎ができている人なら4週間コースでも終わるかもしれません。(一日当たりの学習時間はかなり伸びますが、、、)

 

正直、ここまでの基礎的な内容ならProgateで学んだこととかなり重複します。

賢い人ならProgateだけで十分なのかも、、、

 

残り30日ほどで、オリジナルサービスを作っていきます。

実用に耐えるレベルまで持っていきたいので、個人的には8週間コースで良かったかな、と思います。

・メンターさんすごい

TechAcademy ではメンターと呼ばれる方が質問に答えてくれたり、サポートしてくれたりします。

基本的にはSlackというアプリを使って質問。またパソコンの画面を送って質問するだけでなく、メンターさんも作業中の画面を共有することができるので、言葉で伝えにくい内容も解決することができました。

また、答えをすぐに言うのではなく、間接的に「このあたりをチェックして~」といったアドバイスが多いので、自分で修正ができるように促してくれます。

・ビデオメンタリングは、、、

週に2回、専属のメンターさんとビデオチャットで相談できます。

基本的には

  • 今学んでいる内容の確認
  • 次学ぶことのポイント
  • よりスムーズに進めるためのコツ 

を聴く形です。

ただ、これからオリジナルサービスを作る段階になってくると、かなり個別の質問の出てくることが考えられます。

専属のメンターさんだと、こちらの思いや意図を汲んで答えてくれるので助かります。

・いざ、オリジナルサービスづくり!

 さて、4週間学び続け、ようやくオリジナルサービスづくりです。

フォレスタネットやToss(そしてもちろんクックパッド!)も参考にしながら進めています。

 

心配なのは誰にでもできそうなサービスがあまりまだ普及していないこと。

指導案をネットに挙げるのってハードルが高いのかしら、、、

 

学習以外で感じたこと

プログラミングは課題発見から解決までの実装が素早いことがメリット

ある会社の代表から言われた言葉です。

僕の場合、プログラミングを学んだから収入が上がる仕事でもないのですが、自分のイメージした社会に向けて何かしらアクションが取れるというのは日々が充実していく感じがします。

 

 なにか作ってみたいものがある人、自分の力でアクションを起こしてみたい人は始めてみてもいいのではないでしょうか。

学校教育に求められているのは○○思考?

ビジョン思考は時期尚早!?

直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN

直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN

 

直感と論理をつなぐ思考法、読み終えました。

 

NewsPicksで特集されていたのを読んで興味を持ったので購入

 

本書では

「妄想を駆動力として創造する」

ビジョン思考を提唱しています。

 

そして、巻末では教育との関連も示されており、教員にも是非読んでほしい一冊です。

 

これまでのビジネス書でも様々な思考法が取り上げられてきました。

 

トヨタ式のカイゼン思考

トヨタ式5W1H思考 カイゼン、イノベーションを生む究極の課題解決法

マッキンゼーの戦略思考など

マッキンゼー流 入社1年目ロジカルシンキングの教科書

それらとの違いは何か。

そして、学校教育に求められていくのはどのような考え方なのか、想像してみました。

  • 結論
  • ビジョン思考よりもデザイン思考が現実的、、、

 

4つの思考の違い

本書では4つの思考法が取り上げられています。

  • カイゼン思考
  • 戦略思考
  • デザイン思考
  • ビジョン思考

 

これらを大別すると図のようになります

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まず、横軸は動機を表しています。

  • Issue-Driven〜課題先行
  • Vision-Driven〜理想先行

例えば

真っ直ぐなストローだと飲みにくい(課題)

→曲げたら飲みやすい!

これは課題解決

 

カップルで一緒にジュースを飲みたい(理想)

→ハート形で飲み口を二つ付けよう

これは理想先行です。

 

そして縦軸はクリエイティビティ

  • 今あるものを最大化させる→1〜∞(知性優位)
  • 今ないものを生み出す→0〜1(感性優位)

既存の商品で会社の利益を最大化しようとするのは知性優位

全く新しい商品を作ろうとするのは感性優位です。

 

これらを学校現場に当てはめてみましょう。

 

カイゼン思考
  1. テストで100点を取るために(課題)
  2. PDCAを回し、
  3. 点数の最大化を目指す

これはイメージがしやすいですね。

けテぶれとも繋がりそうです。

 

戦略思考
  1. 『学び合い』の誰1人も見捨てない、というビジョンのために
  2. 今教えるべき人を洗い出し、
  3. 1番効果がありそうな人からを重点的に教える

我ながら無理矢理感がある、、、が!

 

『学び合い』は「誰1人見捨てない」という理想先行です。

学習進度を黒板で視覚化する、という技も

モレ、ダブりなく洗い出す手法(MECE)と繋がります。

 

と、ここまで学習目線で書きましたが、戦略思考は学級経営や学校運営の立場で捉えたほうが有効かもしれません、、ここでは割愛。

 

デザイン思考
  1. 地域の課題を解決するために
  2. トライ&エラーを繰り返し
  3. 新しい解決方法を探す

これは課題解決型学習と言えるでしょう。

小学校だと総合的な学習で活用できそうな考え方です。

 

戦略的思考が

論理→試行

なのに対し

 

デザイン思考は

試行→論理

と逆の手順を踏む点で違いがあります。

 

まず試作品を作ってみて、そこからよりよくしていく。

トライ&エラーがベースにあるのがデザイン思考です。

 

ビジョン思考
  1. 自らの妄想を実現するために
  2. 周囲からのインプットを再構築し
  3. 実現していく

デザイン思考と近い部分もあるビジョン思考ですが一番の違いは

課題先行か理想先行か

という違いです。

 

学校現場で取り組むに当たっての問題がここにあります。

デザイン思考は「共通認識のある課題」を「集合知で」解いていくことが求められます。

言い換えれば「一つの課題」を「みんなで」解くことができます。

 

一方、ビジョン思考の根本にあるのは理想、

本書の言い方を借りれば、個人の「妄想」が原動力です。

一人ひとり異なるビジョンを持った子どもたちを見守るには、担任1人では難しいでしょう。

 

取り組みやすさの点ではデザイン思考の方が現実的だと言えます。

 

結局、「余白」が大事

学校教育ではビジョン思考よりもデザイン思考が取り組みやすい、とは言いましたが、課題がないわけではありません。

トライ&エラーを繰り返すビジョン思考は、ただ教え込むのと比べて時間がかかります。

ただでさえパンパンの時間割の今、これ以上時間を作るにはカリキュラムマネジメントの力が相当必要でしょう。

 

「効率的に教えよう」と取り組むのは良いですが、

たくさんの教科、指導内容があるせいで「効率的にならざるを得ない」のは話が違います。

 

現況、1番必要なのは思考法以前に「時間的余白」かもしれません。

 

また、これから求められていくのは自ら課題を定義し、解決できる存在です。

その点で、本書に示されている妄想力を鍛えるトレーニングやジャーナルはぜひ取り組ませたい(というか自分もやりたい)です。

 

追記

ビジョン思考に1番近い事やっているのがこれだと感じた。

COLEYO Inc. | 教育×企画

「深い学び」を支える学級はコーチングでつくるを読んでみた

 

「深い学び」を支える学級はコーチングでつくる

「深い学び」を支える学級はコーチングでつくる

 

さる先生にツイッターでオススメされました(° °   )

 

結論!

既存の学級経営から、子どもたちに自立を獲得させるまでの過程を知るのにピッタリの一冊!

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既存の学級経営、というのは、

教師主導で行う学級経営

 

例えばクラスのルール作りや係活動、そして授業の進行など

 

あらゆる所で教師が良し悪しの判断をする学級経営です。

 

こうした学級では、学習においても「受け身」の授業になりがちで

 

「主体的な学び」に繋がりにくいです。

 

そこで、コーチングを用いて子どもたちが主体的に学びを作り、学級を作るまでの過程を紹介したのがこの本になります。

 

コーチングって?

  1. 傾聴
  2. 承認
  3. 質問

この3つを基本に

コーチである先生が引っ張るのではなく、子どもが自分で課題を解決していくよう導くのがコーチングです。

子どもが起点になるよう、教師のでる場面を減らしていくことが基本になります。

 

コーチングそのものの技術については「知ってるつもりのコーチング」

知ってるつもりのコーチング―苦手意識がなくなる前向き生徒指導

知ってるつもりのコーチング―苦手意識がなくなる前向き生徒指導

 

を参照とのこと。

また読んでみたら感想をまとめようと思います。

 

ステップ1

 

これまで「既存の学級経営」に慣れてきている子どもにとって、

「何をすべきか」

「どうしたいか」というのをオープンに表現することは難しいもの。

 

まずは

なんでも言える環境作り

が必要です。

 

また、子どもの主体性に任せるといっても、

「お好きにどうぞ!」

だと、子どもは何をしたらいいかわからず、

 

「自分は大事にされていない!」

 

という気持ちになるかも、、

 

そこで教師は

「どうしたらいいかな?」

と寄り添って考えることが大事です。

ステップ2

ステップ1を通して

自ら考え、伝える

 

ということに慣れてきたら

徐々に教師が表に立つ頻度を減らしていきます。

 

一方で、「自分がどうしたいか」ということが明確になるにつれて

「相手」にも意識が向き、トラブルにつながることも。

 

こうしたとき、ついつい教師が出ていき、

「ごめんなさい」「いいよ」

のテンプレを発動してしまいがち。

 

ですが「どうすればいいのか」

子どもに考えさ、教師は「待つ」ことが大事だと本書では説かれています。

 

ステップ3

最終ステップでは教師がでる場面は一層少なくなります。

 

しかし、それは何もしない、というわけではなく

 常に「変化を捉える」ことが必要です。

 

そもそも、子どもたちは成長の中で変化していくもの。

その中で「安定した変わらないクラス」なんてそもそもないのです。

 

だからこそ、教師は「見守る」ことで変化を捉え、

さらに成長させるための「質問」を与えていくのです。

 

読み終えて

コーチングは原因志向ではなく解決志向を選択しながら困難を克服しようとするものです

この一文が1番軸になる部分だと感じました。

 

子どもたちの気持ちに寄り添う上で

「どうしてそんな行動をしたのか」

と原因を知ることは大切ですが

 

「なんでそんなことしたの!」

と原因に対しての叱責は解決に直接つながらない。

 

例えば宿題忘れにしても

「なんで忘れたの!」

ではなく

「どうすれば忘れないかな」

と解決への道筋を考えることの方が子どもにとっても良いでしょう。

 

また『学び合い』に通じる部分が多いなぁ、と感じました。

一方で

できる子のほうは得意げに相手の理解の状態などおかまいなしにただただ大きな声で教え、できない子の方は申し訳なさそうに聞いています。形だけの学習であって、双方向の学び合いなんてそこにはないんです。

という一文は、『学び合い』もどき(自戒をこめて)に対する指摘にもとれました。

 

ちなみに、コーチングのHow toや理論については本書ではあまり触れられていません。

学級でコーチングを活用した際の子どもたちの変化や、それに伴う教師の変化が中心となっています。

 

コーチングについて勉強することが、『学び合い』の理解にもつながるかもしれません。

 

『学び合い』の始め方について調べてみた。

こんにちは!ディーンです!

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  • 『学び合い』聞いたことはあるけど実際どんな授業なの?
  • 子どもが立ち歩いている授業って聞いたけど大丈夫?

 

ぼく自身、やってみたいけどよく分からん!っていうのが正直なところでした。

そこで役に立った本を紹介しながら、

「こうやって始めたらいいんじゃない?」をまとめていきます。

 

 

教師のやることは3つ!?

一時間の授業に関して、教師がやるべきことは簡単に言うと3つです。

  • 課題を掲示(5分ほど)
  • 学び合いスタート→子どもの教えよう教わろうとする姿勢を褒める。
  • 振り返り(5分)

 これだけ!?

 という感じです。。

実際にこれだけで授業を進めるには欠かせない「あること」が必要なのですが、それは後で、、、

クラスが元気になる! 『学び合い』スタートブック

クラスが元気になる! 『学び合い』スタートブック

 

 ※大まかな流れはこの本がおススメ!

課題を掲示

『学び合い』は分かる子が教える→できるようになった子が違う子を教える

という倍々ゲームです。

そのため、授業の初めと終わりを短くし、活動の時間が増えるほど課題の達成率が上がる、という考え方です。

 以前の記事も参考にしていただければ、、、

deen5.hatenablog.com

 『学び合い』の根本は「一人も見捨てない」という教育観です。

そのため、初めの課題提示でも

「全員」という言葉がキーワードになってきます。

  • 全員が、面積の求め方を説明できるようにしよう」
  • 全員が〇ページの課題を解けるようにしよう」

 指導書などに載っている目標を子どもたちにわかりやすいよう

具体的に、また

全員が達成できたか確認できるものに調整し、その日の課題を決めます。

 

『学び合い』スタート

「では始めましょう」の合図で子どもたちはグループを組んだり、机を動かしたりして相談や教えあいを始めます。

 

教師は子どもを見回りながら声掛けをしていきます。

初めは分からないところを聞いて回る、というのもハードルが高いもの。

そこでこんな声かけ

「分からなかったら友達のところに聞きに行っていいよ」

 

悩んでいる子がいても、教師が教えに行ってはいけません。クラス全体に対して

この問題むずかしいね。でもクラスには解けている子もいるよ。みんなが達成するにはどうすればいいかな

と呼びかければ、できている子が教えに来てくれるでしょう。

 

またある問題の誤答が多い時、通常であれば活動をいったんストップし、教師が説明してしまいそうですが、『学び合い』では

〇〇の問題を間違えている人がいますね~

 と知らせるに留めます。

 

また、こうした声掛けをしなくても、一人一人の学習状況がわかるよう、可視化することも有効であると述べられています。

 

例えば黒板に名前札を貼り、課題が終わったら次のマスへ、終わったら次へ、という風にすれば、次に誰を教えに行くか、また誰に教わるかが子どもたち自身でわかります。

 

ふりかえり

授業の振り返りというと、その日の学習内容のまとめをする時間になりますが、

『学び合い』では「課題の全員達成ができたか」という一点を確認します。

 

全員達成できなかったなら、それはなぜか、考えさせてその日の授業を終えます。

 

また、本当に全員達成できているか、テストをすることも考えられますね。

 

一番大事な「あること」

さて、わざわざ引っ張ってきた一番大事な「あること」

 

 それは教師の「語り」です。 

 

 『学び合い』は教育観である、ということは先にも述べました。

その教育観は子どもたちも共有して初めて、『学び合い』は成立します。

その教育観の共有のためになされるのが教師の「語り」です

 

  • なぜ学校に来て学ぶのか
  • 子どもの可能性のすごさ
  • 自分たちで学び、教えあう授業

『学び合い』の授業を初めてやる前には、こうした意義を説いていきます。

 

これだけで完結すれば簡単なのですが、教育観はそう簡単に染みつくものではありません。

担任は一年を通して、態度や行動、言葉でその教育観を示していかないといけません。

 

 

例えば、授業中

先生!課題一番に解けた!

と子どもが言ってきたら何と答えますか。

 

「すごいね!」とほめたくなるところですが

褒める=早く解けることがよい

という価値づけになってしまいます。

 

本来、求めていたのは「一人も見捨てない」のはず。

「よし、じゃあ全員達成のためにできることはなにかな?」

というふうに

言葉かけ=全員達成につながるもの

を心がけます。

 

この先生は本気で「一人も見捨てたくない」と思っている

と子どもが感じるかどうか、が肝心です。

『学び合い』を成功させる教師の言葉かけ

『学び合い』を成功させる教師の言葉かけ

 

 

一年を通じて継続させるために

『学び合い』や学校生活の意義を「語り」、

子どもたち同士で解決できるよう、横の関係を繋ぐ声かけをする

 

子どもは誰かに教えるのが好きな子も多いです。

しかし、それが毎日となるとどうでしょうか。

 

初めは熱心に教えていた子も、だんだんといい加減になってきたり

「この子には教えるけど、この子は教えてもわかってくれない」

と思い始める子もいるでしょう。

 

『学び合い』の効果が薄れたとき、学級の雰囲気が良くないな、というときどうするか。

 

教師が「語り直す」のです。

 

ここで間違っても

「もっと真剣にやれ!」

などと子どもを責めてはいけません

 

子どものダラけは、

教師自身が「1人も見捨てない」という気持ちを忘れかけているからだと考えます。

 

先生自身が「1人も見捨てない」という気持ちが弱くなっていました。すいません

と謝るのです。その上で、もう一度

「みんなで頑張りましょう」

と声をかけます。

 

一年の間に心配になることは必ず起きます。

そのとき

○子どもを信じる

○「1人も見捨てない」を徹底できているか、自身の行動を見直す

こうしたことが大事になってきます。

 

やる?やらない?

子どもに任せる割合が大きくなる『学び合い』

やり方はわかったけど不安だ、と感じる方も多いと思います

 

そんな人には週一回から始める『学び合い』が勧められています。

みんなで取り組む『学び合い』入門 (THE教師力ハンドブック)

みんなで取り組む『学び合い』入門 (THE教師力ハンドブック)

 

 

きっと子どもの学力を伸ばしたい、という気持ちはみんな同じ

一斉授業だけでなく、こんな形の授業もあるんだと知っておくだけでも、

視野が広がりますね。

俺的『学び合い』まとめ①

こんにちは!ディーンです!

 

始業式を前にバタバタと忙しい毎日を過ごしています。

さて、今日は久々に勉強アカウントらしく勉強したことを。

 

通称  二重かっこの『学び合い』

 

ツイッターSNSなどでもよく目にする機会がある『学び合い』ですが、恥ずかしながら自分はよく知りませんでした(..  )

そこで春休みの間に勉強しよう!と思い、、

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ドン!!

この5冊を購入しました。

 

ぼんやりとですが

『学び合い』とはなんぞや

がつかめてきたので

自分なりのまとめを書いていきます。 

 

学び合いと『学び合い』の違い

一言で言えば

  • 学び合い〜学習方法、活動の一種
  • 『学び合い』〜心構え、教育観

です。

 

主体的、対話的で深い学び

アクティブラーニング

のように、教師主導型ではなく子どもたちの対話や活動を中心に据えた授業づくりが重要視される中、子どもたちどうしで教え合う学び合いの姿も研究授業などで見られるようになりました。

 

こうした

  • 教師の発問
  • →自分で考える
  • →グループ学習(教えあい)
  • →教師によるまとめ

のような授業は、学習活動の一つとして「学び合い」が入っており、対話を通した学びを目標にしています。

 

『学び合い』は違います。

『学び合い』の基本は

「1人も見捨てない」という教育観、理念です。

 

そのため、授業はもちろん

普段の学校生活や子どもたちどうしのトラブルの際にも

「1人も見捨てない」

という姿勢を教師自身が示すことが大切になってきます。

 

『学び合い』の授業とは

「1人も見捨てない」ためにどのような授業をすればいいのでしょうか。

 

良い発問をする?

個別指導や机間支援を頑張る?

 

多くの授業研究はこうした

教師の動き

を中心に進められていきます。

 

しかし、実際の授業の中で、

30人なら30人が全員理解した!

と言える授業はどれだけあるでしょうか。

 

授業時間45分をクラスの人数で割ってみてください。

導入や振り返りなどの時間を除けば、

1人1分でも個別の時間が取れれば良い方です。

そしてその1分で満足のいく指導ができるのか。

 

考案者の西川氏も高校教師として子どもと向き合う中で、こうした悩みにぶち当たったそうです。

そこで生まれたのが『学び合い』です

 

教室には早く解ける子もいれば、時間のかかる子もいます。

 

早く解ける子が教え役になれば、教室に先生がもう1人できたのと同じこと。

そして、教えてもらってできるようになった子が、次は教え役になる、

こうなれば倍々ゲームです。

 

そんなこと、これまでもやってるよ

という先生もいるでしょう。

実際、ぼくもミニティーチャーと名付けてやっていました。

 

しかし、

ミニティーチャーは手段

『学び合い』は教育観です。

 

あくまで「一人も見捨てない」という理念を子どもに伝える必要があります。

 

そのため、『学び合い』では、教師が子どもを教えることは基本ありません。

例えばクラスで支援の必要な子がいたとします。

その子を担任が教えてしまうと

 

〇〇さんは教えるのは先生の役目だ

 

と思ってしまいます。

こうなると、その〇〇さんが困っていることに気がついても手を差し伸べる子がいなくなっていきます。

 

『学び合い』では、できていない子を担任が教えたり、できている子を褒めたりすることはありません。

教師は子供一人ひとりの学習の進み具合を学級に伝え、行動を促す役目に徹します。

 

クラス全員がその理念のもと、課題を達成するために、子どもたちが時間いっぱい教えあい、尋ねあうのが『学び合い』です。  

クラスが元気になる! 『学び合い』スタートブック

クラスが元気になる! 『学び合い』スタートブック

 

 まとめ①

  • 『学び合い』は「一人も見捨てない」という教育観
  • 授業ではその教育観をクラス全体で共有し、子どもたちが教えあう
  • 教師は学習の進み具合を可視化したり、言葉にすることで子どもたちの行動を促す

 『学び合い』の目指すところは分かったけど、じゃあ実際どうすればいいの?

というところを、次回書いていきたいと思います。

 

※『学び合い』実践者の方をはじめ、気になるところや、それちがう!ってところはコメントいただければ幸いです。。。

外国語学習に絵本がオススメな理由3つ

こんにちはディーンです(° °   )

 

3月も終わりが近づいてきました。

来年度はどんな1年にしたいですか?

 

今日は新しいクラスの外国語でぜひ取り組んでほしい、

「絵本の活用」について

紹介します。

 

 

絵本は文科省推薦!

英語の授業はとにかく単語との勝負です

 

小学校で学ぶ単語は600〜700単語と言われています。

多い!と思いますか?

 

子どもにとって負担は大きいですが、

誰かとコミュニケーションをとったり、何かを伝えようとするには不十分

 

教師がベラベラと英語で話しても、子どもはちんぷんかんぷんです。

 

しかし、絵本を使えば話は別

教科書にも絵本単元があるくらいです。

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文科省から出ている「外国語研修ガイドブック」でも絵本の活用が紹介されています。

なぜ絵本は重要視されているのでしょうか。

www.mext.go.jp

 

 

英語がわからなくても大丈夫!

絵本には

ストーリー

そして

があります。

 

当たり前?

でもこれが大事

 

わからない単語があっても絵だけで話が追えます。

 

そして、話がわかれば意味を推測できる。

 

初めて聞く単語でも、前後から意味を推測することで語彙を増やすことができるうえ

 

こうして聞き続けることで、英語を聞く耳の素地が形成されていきます。

質問し放題

絵本はお話を楽しむだけではありません。

 

例えば、これは教科書の題材ですが

どんな風に授業で活用しますか?

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このページをただ読むだけなら10秒もかからないでしょう。

 

そこで、こんな質問をしてみましょう。

  • What time is it ?(時計を指差しながら)
  • what’s this ? (味噌汁を指差しながら)

他にも

  • What color is this ? (服を指差しながら)
  • I leave my home. ってなにしてるとこ?

 

などなど、質問し放題です。

 

そう、絵本は情報の宝庫

 

お話を楽しみながら、学習したことを活用することができます。

 

一体感が生まれる

絵本の中には何度も同じ表現が繰り返されているものが多いです

 

例えばこの本

No, David!

No, David!

 

いたずらばかりするデイビッドを叱る言葉 

No! David!

 が何度も出てきます。

 

シンプルな表現が繰り返し出てくれば子どもは自然と覚え

さらには言いたくなります。

 

教師が

No~~!?

と聞けば

デイビ~ッド!

と返してくれることでしょう。

 

 終わりに

どうでしたか?

絵本は短時間でも読めるので授業の始めに

モジュール学習として取り組むのもオススメです!

 

日本語でなじみのある絵本もたくさんあり、取り組みやすいです。

 

Frog and Toad Are Friends (I Can Read Book 2)

 

The Very Hungry Caterpillar board book

 

小さい絵本をクラス全体に読み聞かせるのは大変なので

iPad などを活用すると、大きな画面で見せられますよ。

deen5.hatenablog.com

 ぜひ絵本を授業でも活用してみてください!