ディーンの一言

教える人は学ぶ人。

「深い学び」を支える学級はコーチングでつくるを読んでみた

 

「深い学び」を支える学級はコーチングでつくる

「深い学び」を支える学級はコーチングでつくる

 

さる先生にツイッターでオススメされました(° °   )

 

結論!

既存の学級経営から、子どもたちに自立を獲得させるまでの過程を知るのにピッタリの一冊!

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既存の学級経営、というのは、

教師主導で行う学級経営

 

例えばクラスのルール作りや係活動、そして授業の進行など

 

あらゆる所で教師が良し悪しの判断をする学級経営です。

 

こうした学級では、学習においても「受け身」の授業になりがちで

 

「主体的な学び」に繋がりにくいです。

 

そこで、コーチングを用いて子どもたちが主体的に学びを作り、学級を作るまでの過程を紹介したのがこの本になります。

 

コーチングって?

  1. 傾聴
  2. 承認
  3. 質問

この3つを基本に

コーチである先生が引っ張るのではなく、子どもが自分で課題を解決していくよう導くのがコーチングです。

子どもが起点になるよう、教師のでる場面を減らしていくことが基本になります。

 

コーチングそのものの技術については「知ってるつもりのコーチング」

知ってるつもりのコーチング―苦手意識がなくなる前向き生徒指導

知ってるつもりのコーチング―苦手意識がなくなる前向き生徒指導

 

を参照とのこと。

また読んでみたら感想をまとめようと思います。

 

ステップ1

 

これまで「既存の学級経営」に慣れてきている子どもにとって、

「何をすべきか」

「どうしたいか」というのをオープンに表現することは難しいもの。

 

まずは

なんでも言える環境作り

が必要です。

 

また、子どもの主体性に任せるといっても、

「お好きにどうぞ!」

だと、子どもは何をしたらいいかわからず、

 

「自分は大事にされていない!」

 

という気持ちになるかも、、

 

そこで教師は

「どうしたらいいかな?」

と寄り添って考えることが大事です。

ステップ2

ステップ1を通して

自ら考え、伝える

 

ということに慣れてきたら

徐々に教師が表に立つ頻度を減らしていきます。

 

一方で、「自分がどうしたいか」ということが明確になるにつれて

「相手」にも意識が向き、トラブルにつながることも。

 

こうしたとき、ついつい教師が出ていき、

「ごめんなさい」「いいよ」

のテンプレを発動してしまいがち。

 

ですが「どうすればいいのか」

子どもに考えさ、教師は「待つ」ことが大事だと本書では説かれています。

 

ステップ3

最終ステップでは教師がでる場面は一層少なくなります。

 

しかし、それは何もしない、というわけではなく

 常に「変化を捉える」ことが必要です。

 

そもそも、子どもたちは成長の中で変化していくもの。

その中で「安定した変わらないクラス」なんてそもそもないのです。

 

だからこそ、教師は「見守る」ことで変化を捉え、

さらに成長させるための「質問」を与えていくのです。

 

読み終えて

コーチングは原因志向ではなく解決志向を選択しながら困難を克服しようとするものです

この一文が1番軸になる部分だと感じました。

 

子どもたちの気持ちに寄り添う上で

「どうしてそんな行動をしたのか」

と原因を知ることは大切ですが

 

「なんでそんなことしたの!」

と原因に対しての叱責は解決に直接つながらない。

 

例えば宿題忘れにしても

「なんで忘れたの!」

ではなく

「どうすれば忘れないかな」

と解決への道筋を考えることの方が子どもにとっても良いでしょう。

 

また『学び合い』に通じる部分が多いなぁ、と感じました。

一方で

できる子のほうは得意げに相手の理解の状態などおかまいなしにただただ大きな声で教え、できない子の方は申し訳なさそうに聞いています。形だけの学習であって、双方向の学び合いなんてそこにはないんです。

という一文は、『学び合い』もどき(自戒をこめて)に対する指摘にもとれました。

 

ちなみに、コーチングのHow toや理論については本書ではあまり触れられていません。

学級でコーチングを活用した際の子どもたちの変化や、それに伴う教師の変化が中心となっています。

 

コーチングについて勉強することが、『学び合い』の理解にもつながるかもしれません。